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ミツバ いわき昔野菜図譜 其の参 | いわき市役所

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Academic year: 2018

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ミ ツ バ

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ミ ツ バ

ミツバ

<セリ科ミツバ属>

●主な栽培地  泉町 錦町

23 日本原産とされる野菜は意外に少なく、 確認されているもので20種類ほどしかあ りません。ミツバは、その数少ない日本原 産野菜のひとつで、山地の日陰となるとこ ろに広く自生しています。野生種は、日本 のほか中国や朝鮮半島、北米大陸でも自生 していますが、世界中で野菜として利用し ているのは、日本と中国のみです。

中国では野生のミツバを食用にしてきた という古い記録が残っていますが、日本で はこれよりずっと遅れて、室町時代の農 書「清良記」に、正月に食される野菜とし て「三つ葉芹」の名前で記されたのが最初 です。栽培の起源は明らかではありません が、江戸時代に入ると、「百姓伝記」(1682 年)に正月下旬からの早出し栽培法につい ての記述があります。「農業全書」(1697 年)では栽培法や簡単な食べ方が記され、

「大和本草」(1709 年)ではイラストが描 かれています。どうやら17世紀にはすで

に軟化栽培が導入され、日光栽培による糸 三つ葉(青三つ葉)の栽培も、明治時代以 前から西日本で定着し始めたようです。

現在、日本の市場に出回っているミツバ の多くは、ハウス内で日光に当てず軟白栽 培した「切り三つ葉」や、水耕栽培による「糸 三つ葉」です。西日本には露地栽培で日に 当てて密生させた「青三つ葉」もあります。

いわき市内で古くから栽培されているミ ツバは「根三つ葉」です。根株に土を寄せ て軟白させ、春先に収穫する露地栽培の方 法がとられています。かつては「床だし」 と呼ばれ、木の葉や堆肥を敷き詰めた箱の 中に種を蒔き、ガラスやむしろで覆って発 酵熱を利用して発芽を促し、1月頃から出 荷する方法もとられましたが、現在、古く からの種を利用した在来のミツバ栽培は、 自家消費用のわずかな量にとどまっていま す。泉町や錦町など水資源の豊富な土地で の栽培が見られます。

生産の歴史的由来

錦町

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ミ ツ バ

24 常磐炭田の活況にともない蔬そさい菜の販売量 が増えた頃、米、野菜の出荷通路にあった 泉玉露に、いわき蔬菜園芸の開祖 志賀沢 之助の姿がありました。彼は、大正初年、 冬季労力の活用として、東北では最も早く ウド、ミツバの促成軟化栽培、フキの早出 し栽培、レンコンの栽培の導入普及、そし て大正10年に入ると温室メロンの実験栽 培も手掛けた人物です。この営みは、優秀 な農業後継者の輩出につながり、この周辺 の畑では見事に成長した野菜の姿がみら れ、各地の野菜の品評会において賞をもら う栽培者が続出しました。

泉玉露は、現在は区画整理が進み、すっ かり住宅街となっていますが、前述の歴史 的背景のとおり、もとは田畑が広がり農業 の盛んな土地でした。湿気を含んだ砂地が 特徴で、1メートルも掘り起こせば地下水 が湧く豊かな土地柄を活かし、当時は、ミ ツバ、里芋、ウドがこの地の代表的作物だっ たそうです。

なかでもミツバは割に高く売れ、春先の 換金作物としてどこの家でも栽培していま した。今でこそ水耕栽培により1年中手に 入るミツバですが、露地栽培された天然も のの旬は4月~5月です。5月末から6月

の初めに種を蒔き、1年かけて育てられ、 翌春に出荷のピークを迎えます。

昔はハウスが設備されていなかったの で、「床だし」と呼ばれる木の葉や堆肥を 敷き詰めた箱の中に種を蒔き、ガラスやむ しろで覆って促成栽培し、1月頃から出荷 する方法もとられました。真冬の1月に「床 だし三ツ葉」の収穫が始まり、天然ものの 収穫を終える5月までは、あちらこちらの 川や掘で、女性たちがミツバの根元を洗い 流す様子が見受けられ、これは泉玉露の春 先の風物詩でした。

現在もミツバを栽培している80代の女 性は、1月のミツバ洗いで手がかじかみ全 身が凍えた記憶を、今でも鮮明に思い起こ すことができると言います。嫁いだ当初、 極寒の中で手をかじかませながらミツバ洗 いをしている我が子を見て、不憫に思った 実父母が実家に連れ戻そうとしたことを、 ずっとあとになって知ったそうですが、そ れほど真冬のミツバ洗いはきつい作業でし た。

泉玉露の一角では、この極寒のミツバ洗 いの思い出をしのばせながら、今も毎年自 家採種を繰り返し、香り高いミツバの栽培 が、わずかな量ですが続けられています。

泉町

極寒でのミツバ洗いの思い出とともに

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ミ ツ バ

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刈り取るので、この際に2回目の追肥を施 します。刈り取った根元が隠れるよう、5

㎝ほど土を被せます。この際刈り取ったミ ツバは、もったいないようですが全て破棄 してしまいます。

2月中旬には、土の間から新芽が伸びて きます。少しずつ土寄せを繰り返し、3月 末に50㎝ほどに伸びたところで、根ごと 引き抜き水洗いをします。収穫を早める場 合は、厳冬前にビニールトンネルで覆い温 度を高めます。5月上旬まで収穫できま す。露地栽培の

根ミツバは香り が強く、栽培者 はおひたしや胡 麻和え、玉子と じで味わってい ます。

昭和20年に、現栽培者のお姑さんがこ の家に嫁いだ時にはすでに栽培されていま した。それ以前の栽培歴は不明ですが、少 なくとも60年以上栽培が続けられてきた ことになります。現在、ミツバ栽培を続け ている農家はわずか数軒になってしまいま したが、以前は周辺農家のほとんどがミツ バの栽培を手掛けていたと言います。

露地栽培の根三つ葉は、一般的に出回っ ている水耕栽培のミツバに比べると、香り が強く歯ごたえもしっかりしています。

しかし、その分手間ひまがかかっていま す。特に、まだ水の冷たい春先に収穫した ミツバの根を洗い、土をおとす作業は本当 に大変です。ミツバを洗う近くの川の水に は海水が混じっており、ミツバの変色を防 ぐためには、再度水洗いが必要で、合計二 度の水洗いに、栽培者は何度も全身が凍え る思いをしてきました。

採れたてのミツバを調理し、口いっぱい に広がるミツバ本来の味と香りを十二分に 楽しむことができるのは、厳しい作業を乗 り越えた栽培者のみが味わえるご褒美とも いえます。

播種半月ほど前に畑に石灰窒素や鶏ふん 等を入れて耕し畑の準備をします。

6月上旬~中旬に種を蒔き、隠れる程度 に土を掛けます。株一つ一つの間隔が広い のが理想ですが、指先を使って一列にぱら ぱらと蒔くだけで、特に間引きもしません。 播種後から追肥までは、除草作業をこまめ に行います。

1回目の追肥は9月頃、野菜配合を施し 同時に土寄せも行います。

11月末に、伸びたミツバを一旦根元で

錦町

露地栽培ならではの味と香り

栽培方法

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